いつかまた

付き合ってるソロバルです。

 体が熱く、頭はホワホワとしていた。ソロモンはバルバトスの膝を枕にベッドへ横になり、差し出された手を握って横になっていた。手は冷たく、触っていて心地よい。たまに頰へ押し当てると、困ったような笑いが降りかかってきた。
「見事に酔っ払ったね。まったく、どれだけ呑んだのやら」
 涼やかな声だ。バルバトスの手に熱を押しつけながらソロモンはぼんやりと考える。
「酒を呑むなら俺を呼んでくれれば良かったのに。そうしたら、最後まで面倒をみたよ」
 そう言われて、ソロモンはようやくその時の状態を思い出す。大量に作られたまま放置されていたジュースのうち一つを飲んだとき、世界がぐるりと回ったのだった。それから、楽器の練習帰りのバルバトスに起こされ、部屋に運んでもらうまで、ソロモンには記憶がない。
「呑める量の上限とか測れたのに。いや、もう身にしみてわかっているか」
「なあ、バルバトス。俺の名前は?」
 ふいに気になり、ソロモンは訊く。
「唐突だね。キミの名前は」
 当たり前のように名前を言われ、どこか心が落ち着く。
 ソロモンは起き上がり、バルバトスの両肩に手を置いた。そのまま力を入れ、押し倒す。上着を脱いで身を寄せた。バルバトスの体は冷たく、心地よい。
「おやおや、情熱的だね」
「冷たい」
「キミの体が熱いだけだろう? それより、乱暴を働かれたんだから、少しは報酬をもらわないと割にあわないな」
 唇を親指で撫でられ、ソロモンは体を起こす。そのまま唇を重ねた。唇は例外的に熱く、その中はもっと熱い。
 なぜか瞠目したバルバトスに疑問を持ちつつも、ソロモンは再び横になった。
「バルバトス」
「なんだい?」
「忘れそう、だから、覚えてて、名前」
「当然さ。英雄の名前は物語に必要不可欠だし、それに」
 バルバトスの言葉を全て待たず、ソロモンは再び眠りの世界に落ちた。バルバトスは微笑み、ソロモンの額にキスをする。
「俺が覚えていたいからね。ただ、今は……。お休み、ソロモン、いい夢を」
 安らかな寝息を立て始めたソロモンの横でバルバトスも瞳を閉じた。