ソロモン
流血表現があります。
書いた人はソロバルのつもりで書いていました。たぶん、ソロバルじゃない。
「前を見ろ!」とブネの怒鳴り声が飛んでシャックスはソロモンたちから視線を戻した。シャックスの今にも涙がこぼれ落ちそうな瞳が視界に残る。
ブネの言う通り、今は目の前の戦闘に意識を集中しなければならない。
さもないと、ソロモンを庇って大怪我を負ったバルバトスを助けることができない。
ソロモンへもたれかかって、今にも意識を手放しそうなバルバトスの出血を必死で止めながら、ソロモンは仲間たちにフォトンを回した。戦闘が続く間にも、脱いで押さえつけた服から血が滲んでくるのがわかる。
「頼む。持ち堪えてくれ」
「まだ…………だい………」
ソロモンを庇った瞬間、バルバトスは安堵の表情を浮かべていた。仲間が幻獣を倒してくれると信用して、反撃の体勢を取ろうともせず、ただソロモンを安全圏に押し出すことのみを考えていただろう動きだった。
戦闘が終わり、仲間が集まってきたころにはバルバトスの顔は青くなっていた。
「バルバル、しっかりして!」
「貸せ! ソロモン!」
「応急処置の心得なら私もあります」
「おい、俺たちは護りを固めるんだ」
「お、おう」
ウェパルがソロモンに視線を向けた。動揺して考えがまとまらないソロモンの思考回路がクリアになる。
「早くアンドラスを召喚しなさい!」
その後、なんとか一命を取り留めたバルバトスはアジトのベッドに横たえられた。ソロモンは体を清めるのも忘れ、血がついたままの手でバルバトスの手を握る。手は暖かさを取り戻しており、ようやくバルバトスが生きているという実感が湧いてくる。
バルバトスがゆっくり目を開いた。ソロモンを確認し、微笑む。
何故庇ったのか。自分の身を捨ててまで護ってほしくなかった。色々言いたいことはあったが、「ソロモン」という名がその言葉を押し込める。
「………………ありがとう」
この言葉しか絞り出すことができなかった。