物語は突然に

診断メーカーの結果から作ったソロバルです。
とても良い診断結果でした。

たまに、ほんの僅かな回数だけ、ソロモンはバルバトスに寝る前の話をねだっていた。すると、バルバトスは喜んでその後の予定を蹴り、ソロモンに話を聞かせるため部屋を訪れてくれる。

ソロモンはそれが嬉しくもあり、同時に、心苦しくもあった。なぜならば、「バルバトスと二人っきりになりたい」という下心多めで呼んでいるからである。

今日もソロモンはバルバトスを呼んでいた。話していてバルバトスが特に楽しそうな話の続きを頼んでいる。少年と母親が互いに互いを思いやり、慈しみ合う物語だった。

ベッドのうえに胡座をかいて座っていたソロモンは、いれてもらったホットミルクを飲みつつ、ベッドに腰掛けるバルバトスの横顔をじっと見つめた。その横顔はため息が出るほど美しく、いつまでも見つめ続けられるようだった。

見惚れていると急にバルバトスが振り返ってきて、視線が合う。ソロモンはバツが悪くなって視線をそらした。

「ソロモン」

やさしく名前を呼ばれ、ソロモンは視線を合わせる。

「愛してる」

ミルクが変な所に入った。

驚きでミルクが気道に入ったソロモンは激しく咳き込んだ。その背を、バルバトスは優しく撫でる。ようやくおさまって、涙目になりながら顔を上げると、バルバトスはそれはそれは楽しそうに笑っていた。

「驚いたかい?」

声からすらも楽しさがにじみ出ていた。

理不尽さを感じてソロモンはバルバトスを睨む。それでもバルバトスの笑みは消えなかった。

「顔、真っ赤だよ。それにしても、そこまで驚かれるとはね。君も俺のことを好きみたいだから、喜んでくれるものだとばっかり思っていたよ」
「えっ、あ…………、なに」
「おや? 勘違いだったかな?」

一呼吸置いてソロモンはようやく否定の意味で首を振った。勘違いなわけがない。

心臓がうるさく感じるほどドクドクと鳴っていた。信じられないと現実を疑う心と、両思いだと天にも登るほど嬉しい心がソロモンの中でせめぎ合う。

「良かった。……これでも、緊張していたからね」

バルバトスが詰め寄ってきた。良い香りが鼻孔を擽ると同時に、額に柔らかいものが触れる。それがバルバトスの唇だと理解したころには、バルバトスはソロモンの部屋のドアノブに手を掛けていた。

「お休み、良い夢を」
「お、お休み」

そんなことを言われても、今夜は眠れそうにない。