ホワイトデー

10倍返しネタ

「キミには豪華なプレゼントだけじゃ10倍返しにはならないだろう?」
 ソロモンの部屋で2人っきりになって、ホワイトデーのお返しを貰った後、ソロモンはバルバトスにそう言われ、抱きしめられていた。正確には抱きしめられるだけではなく、壊れ物を扱うように丁寧に、何度もキスを贈られていた。口だけを避けられて。
 恥ずかしさに逃げようとしても、相手の腕の中で、座っているベッドのシーツが乱れるばかりだった。恋人同士なのだから、今更恥ずかしがる必要もないのかもしれないが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「ほら、逃げようとしないで」
 口の端にキスしながらねだってくるバルバトスに、ソロモンはついに根負けした。
 諦めてバルバトスに体を預けると、今まで意識していなかったバルバトスの香りがソロモンの体を包んだ。嗅ぎ慣れない香水の香りを含んだそれは甘く、ソロモンの心を燻っていく。首元にキスされたときはより一層強く香り、目の前が揺れるほどに酔ってしまった。
 バルバトスの指先がソロモンの腹に触れ、そのまま背に移動して背筋をなぞられたとき、ソロモンの中でついに燃え始めた。
「俺も、俺も触りたい」
 そう言うやいなや、ソロモンは返事を待たず、バルバトスの頭を手で包んで口付けした。何度も自分の体に触れてきた唇は、体中のどこで感じるよりも柔らかい。ついばむのもほどほどに、ソロモンは舌で唇を割り入れ、バルバトスの舌を絡め取った。唾液を混じり合わせ、ひたすらに気持ち良いところをなぞる。
 そのうちに、ソロモンを抱きしめていたバルバトスの腕が、ソロモンの背に回されていた。その綺麗な指先は再びソロモンの背をなぞり、ソロモンを追い立てていく。
 ソロモンは堪らず、バルバトスを押し倒した。
「おや、性急だね」
 組み伏せてきたソロモンに対し、バルバトスは余裕の微笑みを浮かべる。
「もっと触りたいから」
 ソロモンはバルバトスの服を脱がす。慣れたもので、その手つきに一切の迷いはない。
「これじゃ、お返しにはならないな」
「いいだろ、もう十分だよ。それとも、俺から触っちゃダメか?」
 バルバトスはソロモンをしばらく見上げていると、ふっと微笑み、ソロモンの上着を脱がせた。
「仕方ないな。いいよ、触ってくれ」
 バルバトスはソロモンの首筋から脚の付け根にかけて、指先で撫でた。
「こうなるかもしれないから、ナカも綺麗にしてきた。だから、キミの気が済むまで存分に触っていいよ」
 その誘いはとても甘く魅惑的で、ソロモンは素直にそれに取り込まれた。