生きるは
おセッセする直前のソロバル。ソロバルったらソロバル。
「はは、呑みすぎちゃったかな」
バルバトスはそういうと正面からソロモンを抱きしめて、顎を肩に乗せてきた。ソロモンの部屋であるためか、バルバトスも薄着で、その分、密着した場所から普段より高い熱が伝わってくる。座っているベッドの布地からも、熱がじんわりと感じられる。
ソロモンはそっとバルバトスの腰に手を回した。昼頃まで取り掛かりっきりだった事件は片付き、バルバトスを拒む理由もない。
ソロモンから見て、バルバトスは本人が言うほど酒を呑んでいないように見えた。反応から判断しても、ほろ酔い程度だろう。水を多めに飲めば、覚醒するレベルのものだ。バルバトスもそれは知っているだろう。ソロモンがそれに気づいていることも。
だからこそ、遠慮なく先に進めることができた。
「本当だ。すっごく熱い」
微笑みながらソロモンはバルバトスの背を撫でた。頰をすり寄せる。さらさらの髪の毛が頰をくすぐった。
生きている、ということを強く感じる。
直後でない限り、高い体温は死体ではあり得ない。意思を持った動きで抱き締められることもあり得ない。こうして背を撫でると、擽っそうに笑うことも。
生きていると、そう理解すると、ソロモンは自分の心の一部が溶けていくのを感じた。死んでしまって、もうどうにもならない相手ではない。
バルバトスが酔っているということを言い訳にして、ソロモンはバルバトスの肌に直に触れた。肌は滑らかで、撫で上げると、指先が筋肉や骨の存在を拾う。
「フフ、冷たい」
「こっちはシラフだからね」
「そうだよね。気持ちいいよ」
ソロモンはバルバトスにねだって、頰へキスをした。場所を変え、幾たびもキスを贈る。
しばらくそれを微笑みながら受け続けていたバルバトスだったが、ソロモンの頰を挟んで頭を固定すると、唇を重ねてきた。何度か啄むようにキスしてきた後、熱い舌がぬるりと入ってくる。
ソロモンは与えられるままにキスへ溺れていった。舌を絡ませ、バルバトスを求める。
押し倒された時も、ソロモンはぼんやりとバルバトスを見上げるだけだった。
「まるで君が酔っているようじゃないか」
「……バルバトスにあてられたかな」
金の帳がソロモンの視界を覆った。二人の距離が零になるのを合図に、服を脱がしていく。
熱を分け合うように、深くふかく交わっていった。