次の時間の確約

付き合ってない上に、モンモンが意識してないソロバルです。プロフィールネタ。

贈り物作製の練習のため、ソロモンはアジトのキッチンにいた。今日、作るものは一般的な食材で作るハニーケーキである。今回は練習のため普通の食材を使用する。メギドの能力を復活させる目的で作る特別なハニーケーキは貴重な素材を使うため、練習は必要不可欠であった。

薄力粉や卵、牛乳などの素材を慎重に計る。こういうのは配分が大事だと、ソロモンは経験から身に染みていた。そして、出来上がった生地を、砂時計を使って時間を計りながら焼き上げる。

ひと段落ついたところで、途中からソロモンの作業風景を眺めていたバルバトスに声をかけた。

「バルバトスが来るなんて珍しいな」

こういうものを作るときは、大抵の場合、子供の体のメギドがやってくる。

ソロモンは話しながらも作業を進めた。間にクリームを塗りながら、ハチミツを混ぜて焼いた薄い生地を乗せていく。

「いい香りがしていたから、釣られてしまってね」
「そうか。せっかくだし、すぐに食べるか?」
「いいのかい?」
「もちろん」

返ってきたバルバトスの声が予想以上に嬉しそうで、ソロモンは面を食らった。バルバトスが甘い物をことさら好むイメージは無いが、それはたまたまソロモンが知らなかっただけだったのだろう。

少しばかりの悔しさを感じながら、ソロモンはハニーケーキを切り分けた。切り口が汚くならないように気をつけながら、八等分に切る。やや行儀は悪いが、包丁でケーキを救い、皿に盛ってバルバトスに渡した。

「どうぞ。お茶淹れるけど、飲むかな?」
「ああ、いただくよ」

ソロモンはお茶を淹れるために再び台所へ戻った。その間も待ちきれなかったらしく、バルバトスは食べ始める。

水が湯になるまで待つ間、ソロモンは振り返ってバルバトスを見た。ケーキを食べ、蕩けるような笑みを浮かべている。ここまで喜んで貰えると、作った甲斐があるというものだ。

お茶を淹れ終わり、注いで戻ったソロモンはバルバトスの隣に座った。そのままお茶を出す。

「そんなに喜んでくれるなら、俺も嬉しいよ」
「そ、そんなに顔に出てたかな?」
「うーん、結構出ていたぞ。なあ、バルバトスは特にどんなケーキが好きなんだ?」

思わずソロモンの頰も緩む。

バルバトスは決まり悪そうに顔を逸らした。

「……フルーツケーキとか、果物が多いのが好きだな」
「じゃあ、次はそういうのを作るよ。食べてくれるか?」
「もちろん。喜んで」

顔を向けなおしてくれたバルバトスの顔は恥ずかしそうに笑っていた。その表情を見て、ソロモンは次々とフルーツケーキの案を頭に浮かべる。

どうすればもっと幸せにできるか。そう考えるだけで楽しい。