夜の時間
付き合ってるバルソロinアジトです。
日付が変わる少し前、バルバトスは上に羽織るものを持って倉庫横の作業室へ向かった。さすがに夜は冷え、移動の間の廊下ですら身を縮こませるほどの寒さである。ついでに厚着をしておいて正解だった。
作業室へ着くと、案の定、ソロモンが黙々と何かを作っていた。
「ソロモン、少しいいかな?」
驚かせないように気を遣いながら、バルバトスはそっと部屋に入る。ソロモンはすぐに作業の手を止めた。
「どうしたんだ、バルバトス?」
「頑張っているキミを労ろうと思ってね」
持ってきた上着をソロモンにかけた。
凝り性なのか、ソロモンは一度物作りを始めると、根を詰めて遅くまで作業をするのも珍しくない。せめて体を労わる格好をしてほしいものだが、そこら辺はどうも無頓着なようだった。
「無理にとは言わないけど、そろそろ寝ることも検討してほしいな。睡眠は大事だよ?」
「うーん、でも、あと少しだから」
これはこのまま明け方まで続ける言い訳だ。
「……まあ、無理にはって言ったからね」
バルバトスは自分のポケットから鍵を取り出し、見せつけるようにソロモンの目の前で指に吊るした。ソロモンの視線は自然と鍵へ向く。
黒のストラップが付いたこの鍵はソロモンの部屋の合鍵だ。
「これから俺は1人で寝るわけだと、ベッドが冷たくて寝づらいんだ」
バルバトスはソロモンの頭へ手を添え、額にキスを落とす。そのまま鼻の頭へキスし、頬へ移り、唇の端に口付けた。
「期待しないで待ってるよ。お休み、ソロモン」
そのまま振り返らずにソロモンの部屋へ向かう。
イスがずれる音がした。